デプスゲージ(副題:デプスゲージを作れ)


 ロッドを作ろうと思ったとき、いろいろと教科書を手に入れてきました。
紹介されている様々な道具のなかに、かつて商売道具として使ったノギスやマイクロメーター、 そしてデプスゲージがありました。
デプスゲージを使う意味はよく分かるのですが、プレーニングフォームの溝はV字形のもので、 しかも底なしです。こういった形状のものをデプスゲージで計測するのは・・・という疑問 がわき上がってきました。たぶん、少しでも横にずれていたら、正確な数字は出てこないような 気がしています。が、相手は竹ですし、良い計測方法も思いつかない。となれば、デプスゲージで測るのが 一番簡単そうなので、深く考えないことにします。

 さて、このデプスゲージですが、けっこうなお値段がします。こいつは、なんてことはないダイヤル ゲージと、それを支えるベースで構成されています。
同じくらいの精度を持つダイヤルゲージは、おおむね5000円くらいで買えますから、 ベースは手作りすることにしました。

 まず、要となるダイヤルゲージですが、尾崎製作所の逆目盛りになっているものを手にいれました。 手持ちのダイヤルゲージを使っても良かったのですが、芯だしするためのダイヤルゲージがなくなって しまうので買いました。
さて、これを選んだ理由ですが、ダイヤルゲージの多くは、0を中心にプラス側、マイナス側を計測することができます。 しかし、デプスゲージは、片側のみの計測で事足りるため、片側のみ動くダイヤルゲージが望ましい ので、というのは能書きで、たぶん、本家のデプスゲージには、このタイプが使われています。
 次にベースを作ります。適当な大きいボルトの頭を旋盤で面を作って、中央に8mmの穴と横に固定用のネジを切って おきます。 できれば、中央の穴はあらかじめ下穴を開け、次によこの固定用のネジを切ってから、リーマーを通して やったほうがいいでしょう。ダイヤルゲージを固定するの足の部分(正確な呼び方は知らない) の径は8mmが規格になっていますので、どこのメーカーでも同じです。
本家デプスゲージのベースは焼き入れしてあって、摩耗しにくくなっています が、アマチュアでは工場に比べたら使用頻度がきわめて少ないでしょうから、焼き入れしてなくとも 大丈夫だと思います。
 次に、先端が60度になっている測定子です。ダイヤルゲージを買うと、鋼球が先に入った測定子が 着いてきますが、これをはずして交換します。プランジャーをしっかり固定してネジると測定子ははずれます。 測定子ネジも規格になっていますから、たいがいのメーカーの ダイヤルゲージにつきます。ここに、60度の測定子を付けてやります。ミツトヨでもテクロックでも尾崎でも心配 ご無用です。
それぞれを組み立てて、出来上がりです。
精度が怪しくなったら、測定子を交換し、ベースの面をまた仕上げてやればいいのではないでしょうか。



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