竹割り (長いよ・・・)



竹を割るのは、非常に簡単であり、かつ難しい行為です。竹自体は縦方向にほとんど の維管束が走っていますので、割れやすい構造になっています。しかし、そうはいかないのが 世の常です。その一因に、材料費が家族の誰もが納得しないほど高い。「子供のころから、さんざん竹 なんぞ割ったわい」という方も、このことが、無意識のうちに プレッシャーをかけ、失敗を誘発しているにちがいないと思うのです。私もそうでした。 そういった訳で、なるべく失敗しないようにやる方法を模索してみました。

大割のテクニック
竹の分割器 いにしえより、竹を大割りするときは先端から行うのが習わしです。同様に木を割る のは根本からです。私の田舎で、根本から竹を大割りしたら笑われてしまいます。話 がそれましたが、竹とつきあいの長い日本の文化ですから、それを尊重して 、「竹は頭から大割する」のが基本とします。
この大割するとき、最終的に得られるストリップ数を意識していたほうがよいと思い ます。竹を奇数分割するのは困難なので(半分にするのが易しい)、難しいことはとりあえず やらないことにします。
諸先輩方のサイトで紹介されていますが、こんな 道具がホームセンターや大きめの園芸店で販売されています。私は、竹の太さや番手に合わ せて6分割と5分割を使い分けます。この竹割り器は「たたくな」と書いてあるので たたきません。鋳物をたたくと、いつか割れますから。

行程1 竹割りを逆さに地面に置き、竹の先端を載せます。
行程2 勢いを付けて体重をかけ、めり込ませます。
少しもみこむと具合がいいです。
行程3 竹割り器がついたまま竹の天地を入れ替えます
そのまま持ち上げて落とします。
節などの固い部分は、多少の「勢い」が必要です。これを繰り返します。
3.6mの定尺ものならそんなに振られることはないと思いますが、不安定なら竹の上半分を持つ ようにします。適当な台の上に乗ってみるのも手でしょう。
硬い地面(コンクリートなど)に打ち付けることはおすすめしません。突然、下側が割れたりする ことがあります。



細く裂くには
あえて「割る」ではなく「裂く」という表現をしてみました。 極端な言い方をすると、細く割るには刃物をつかう必要がありません。 刃物に頼るとその刃が災いし、刃先が引っかかってかえって曲げてしまったり、 けがをしたりする原因となります。
これは極端な例えですが、刃物にこだわらなくても竹を割ることは可能なのです。
理論
 これから説明する方法で竹を裂く場合、知っていて欲しいことが2つあります。
ひとつは、「裂け目は、曲がりがきつい方に寄る」というこです。このことは、良く紹介 されているので、あえて説明はしません。
もうひとつは「ねじったらいかん」ということです。つまり、竹を左右に裂こうとする あまりねじってしまうと、そのあとのコントロールが難しくなります。
ともあれ、順を追って説明したいと思います。

用意するもの
○万力
○手袋(手をたくさん使いますから、けがの防止に)
○薄いくさび状のもの


行程
24KB 万力に竹を裂くためのくさび状のものをかませます。私の場合は、単に安かったから という理由で、塩ビカッターの替え刃を使っています。なお、刃はつぶしてあります。
24KB 裂く前に、竹の節の裏側をナタなどで落としておきます。これは引っかからなければいいので、 きれいに落とす必要はありません。
24KB 大割りとは違い、細かく裂く時は「先端から」という必要はありません。どちらから割っても 大差ないようです。
私の場合は失敗してバット側が細くなるのはいやなので、竹の根本から割っています。
竹を斜めにした状態で中央部に刃をあて、万力の角を支点にして、矢印のあたりに上から力を加えながら水平に竹を起こしますと、 竹がぴりっと裂け始めます。
24KB  撮影の都合上写っていませんが、右手で竹を刃の延長線上に保持し、かつ刃と垂直になるようにしています。 そのまま押してやると割れていきます。
左手は引っぱらず、添えて案内するだけにしたほうが曲がりにくいです。
これが基本姿勢になります。くれぐれもねじれないよう注意しましょう。
24KB  修正は、差が大きくならないうちに済ませてしまいます。これは手前側が太くなった時に行う修正の例です。
右手は竹が奥側に行かないよう保持(むしろ手前に引いても良い)し、両手で赤丸をつけた裂け始めの部分を曲げるようなイメージで、 左手を矢印方向に弧を描くように力を加えます。ここで、竹をゆっくり押してやると裂け目が修正されながら割れていきます。 この時、修正のため力を加えられた竹は、まっすぐ裂いているときよりもあっけなく裂けていきますので、押す力加減に注意です。
24KB  上記したのと反対側の奥側が太くなった時に行う修正の例です。
右手は竹が奥側に行かないよう保持(むしろ奥に押しても良い)し、両手で赤丸をつけた裂け始めの部分を曲げるようなイメージで、 左手を矢印方向に弧を描くように力を加えます。ここで、竹をゆっくり押してやると裂け目が修正されながら割れていきます。
 分け目が中央に戻ったら、また右手で押して割りすすみます。

おまけ
 慣れてくると、修正は左手よりも右手でやるほうが断然時間がかかりません。手前側が太くなったら右手を手前に引き、 奥側が広くなったら右手を奥に押し出すだけで修正ができます。 もちろん左手をはなして修正するわけでは ありませんので、基本姿勢は変わりません。
 残念ながら、どうして右手だけで修正できるのか説明はできません。しばらく左手で修正するやりかたで割っているうちに自然と 左手を使わなくなってしまったのです。

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