トックリバチ



 我が工房は、もともと田舎にあるのもそうですが、人間以外は自由に出入りできる構造に なっております。もちろん、虫たちはなんの関所もなく出入が可能なのです。
そんなわけで、ちょうど今頃の夏の季節を迎えますと、「蚊」の訪問を受けることになります。 彼女らがやってきますと、ご多分に漏れず、刺されまくってひどい目に遭うので、蚊取り線香を 焚いて迎え撃ちつつの作業となります。

 ひとまず、蚊については置いておきまして、この間から、足繁く通ってくる「トックリバチ」 についてお話ししたいと思います。
彼女は、子孫繁栄のため、子供の餌となる虫に卵を産み、穴に一緒に入れておくという作業を 繰り返しております。
そこまでは良いのですが、私の工房は、彼女のお眼鏡にかなう保育施設であったようです。 まず最初は、木製の可変プレーニングフォームに入っていたピン代わりのパイプ24本すべて を保育施設としてくれまして、次ぎにフィラー用にひとまず貫通孔を開けておいた角材、 アルミパイプ、出しっぱなしだったフェルールと、穴と言う穴を利用してくれたのです。
 どうやら、彼女は、10mmより少々小さめの穴が大好きなようです。
 少々腹も立ったのですが、彼女が餌の虫(正確にはタマナギンウワバの幼虫、約3cm)を とらえて運び込んでから、土できれいにフタをするまで4時間以上の時間をかけているのを見てしまうと、なぜか その姿に感動してしまって、放っておくことにしました。


やっぱり、おいらも浪花節には弱いようです。



Koba's Factory